忘勿石

八重山郡

西表島の南端、南風見田の浜の一角にぽつんと佇む石碑。戦時中、海を挟んだ向こうの波照間島から生徒と共に強制疎開させられてやってきた旧波照間国民学校の校長であった識名信升氏の銅像と「忘勿石 ハテルマ シキナ」の字が書かれた碑がある。疎開先の西表島はマラリア感染地域で、石碑があるこの地で青空教室を続けていた中で生徒は次々マラリアに倒れ…といった悲劇があった。戦争で死ぬ以上にマラリアに死んでいった無念とその記憶を残している。他にも八重山諸島にはマラリア犠牲者を弔う石碑が多数残されている。

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