物件情報
那覇市辻と言えば、沖縄県で唯一特殊浴場(ソープランド)の営業許可地域になっていて、さしずめ東京の吉原や川崎の堀之内のような歴史のある場所で、沖縄本島にもれっきとした「遊郭」というものがあったのだなと知る事ができる唯一の土地。17世紀に当時の琉球王国によって琉球各地にいた尾類(ジュリ=遊女)を集めて辻を含めた那覇の3ヶ所に遊郭が置かれたのが始まりで、明治41(1908)年にそのうち仲島、渡地の2遊郭が辻と統合され、それ以後沖縄唯一の遊郭になるも、後の沖縄戦で灰燼と化し、戦後に盛り場として再興したのは昭和27(1952)年に料亭「松乃下」が営業を始めてからの事であったという。
旧遊郭地の元「松乃下」(現・特定有料老人ホーム松風邸)近くには辻遊郭の開祖を祀る御嶽があり、その周囲には古いスナック街やソッチ系の店が点在し「料亭那覇」などの格式ありげな店舗もある。そして夜になるとにわかにネオンサインがちらつく色街ならではの風情が見られる。沖縄唯一の遊郭の歴史は今に続いているのだ。