神戸市兵庫区、歓楽街新開地に隣接する福原町。ここは明治の初めから福原京の名を冠した「福原遊郭」として開かれ、戦後の売防法施行時まで色街として栄えてきた土地である。で、関西の場合は大阪の飛田新地のような料亭街に変わった所もあったりするのだが、神戸福原の場合は東京は吉原遊郭のその後と同じく、お風呂さん街としての歴史を歩んできた。
住所で指すと兵庫区福原町に加え、西多聞通、西橘通、西上橘通といった区域にそうした店が密集しており何ともいかがわしいネオンサインが轟いているのであるが、規模の割にはお客の出歩く姿が妙に少ないのが引っかかる。不景気なんですかねこの業界も…
メインストリートの「柳筋」はその名の通り柳の木が街路樹に植栽されていて、色街の雰囲気を濃密に漂わせるし、こういう場所ではお決まりの「廓内交番」もしっかり設置されている。
路地に入ると隠れるように潜む飲み屋街やバラック酒場なんぞもあり、普通に街中を歩いているだけでも結構なスリルを感じさせる要素に満ちている。やはり福原町を抱える新開地エリアは見ての通り「飲む打つ買う」の街なのである。
