岡山市のど真ん中、桃太郎大通りと国道53号が交わる柳川交差点は市内の交通の要衝で、岡山駅からやってくる路面電車が分岐する地点でもある。この柳川交差点の南東角に恐ろしく古びた三階建て(一部四階建て)のビルがそびえている。その名も柳川ロータリービル。名前の通り、建物が面する柳川交差点の円形のロータリーと建物が対応していて、建物自体がバウムクーヘンの切れ端のように扇形を描いている。その建物の作りからすると昭和30年代に建てられたものだろうか。二階と三階は見た目に廃墟状態になっているが一階部分には入居している店舗もある。さらに裏手に回ると廊下の手すりが網状になっていて住居フロアの構造が丸出し、建て増しし放題でプチ九龍城砦状態になった濃密な生活空間が拝めて二度美味しいというレトロ物件なのだ。