沖縄取材中、若狭海浜公園に続いてまたしても電波的な主張を繰り広げるホームレスの小屋を発見した。場所はよりにもよって「漫湖」のほとり、那覇東バイパス「とよみ大橋」付近である。湖畔の一角を占拠するホームレス小屋の周囲は調理器具や調味料、生活用品が多数置かれかなり所帯じみた風情だが、気になるのは手前の遊歩道にこれ見よがしに掲げられた電波文の数々。大学ノートに一字一句びっしり隙間無くボールペンで書かれたその文章を読むと、日本の農業政策への不満や人類の文明や愛国主義についての主張がこれでもかと書かれている。
漢字や日本語のボキャブラリーは正確で、よって知能指数的には正常かそれ以上のものを感じさせるが、しかしそれは不法占拠中のホームレスの言葉でしかなく、街路樹に釘を直打ちして紙を貼り付けていて、理想を唱える前に目の前の樹木をいたぶりつけている辺り、主張と現実に大きな矛盾を感じざるを得ない。