百人町区営アパート

新宿区

JR中央・総武緩行線大久保駅から職安通りに向けて歩くと現れる、線路沿いにビッチリへばり付くように立ち並ぶ三軒の二階建てコンクリート長屋。一階部分は作業所、二階部分は住居になっているものの生活感には乏しく、生ける廃墟のようにも見える。実はこれ、東京五輪があった昭和39(1964)年に向けた新宿地域のスラムクリアランスを目的として、この周辺にあった不法占拠バラックやホームレス、バタヤ稼業を営む在日コリアンを中心とした貧困層を集めた集合住宅として新宿区が建てたもので「百人町区営アパート」という名称が付いている。

一階部分のほとんど空き部屋になった作業所も就労支援を目的で設計されたものだが、今ではちらほらと居酒屋や住居、ハングルが書かれた何かの事務所が残るのみ。二階の住居もその多くが独居老人の住まいと化している模様。集合ポストには韓国の姓名が書かれているあたりが場所柄である。本来は仮住まいとして期間限定でこしらえられた福祉物件が、新宿のど真ん中に半世紀以上生き続けている不思議。裏町・大久保の闇は深いとしか言いようがありません。

新宿区 大久保

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