昭和事件簿の中でもとりわけ有名な「あさま山荘事件」の舞台となった長野県軽井沢町の別荘地レイクニュータウン。既に半世紀近い歴史を迎える年代物の別荘地でもあり、軽井沢の数ある別荘地の中でも面積の広さは最大級であるという。
そんなレイクニュータウンの一画に、その名の通りに人造湖が整備されていて「レマン湖」だなんて名付けられているのだが、この人造湖の周囲に立ち並ぶ見た目ヨーロッパ風のショッピングモールが軒並み廃墟化していて凄まじい。恐らくこの辺はバブル期に造られたのだろう、一時期は三越まであったというのだから驚く。未だに所々「インテリアの店」だとか「婦人靴の店」だとか書かれたテント屋根が残っているわ、かつてはお高そうな品物を揃えていたであろうブティックなんぞもあったかのようなテンション。それらが全て廃墟と化して揃って店の壁をサビとカビで薄汚くして痛々しいったらありゃしない。
無人のリゾートタウンと化した人造湖の畔で、二度と戻らないであろう栄華の極みを想像するも一向にイメージが湧かず、結局あさま山荘事件のハイライトの巨大鉄球が脳内をぶらんぶらんと掠めるばかりなのであった。