阪急宝塚線池田駅の南側、池田市満寿美町に所在する「インスタントラーメン発明記念館」。1999年の開館以来、池田市の主な観光名所となっている。ここは日本生まれの食文化であるインスタントラーメン誕生の地として国内はおろか海外からの観光客も押し寄せる、言うなればインスタントラーメンの聖地とも呼べる場所である。昭和33(1958)年に日清食品創業者・安藤百福氏(故人)の手によって世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」が誕生、その誕生の場である、当時の安藤宅の裏庭にあったという「粗末な小屋」が展示スペースに完全再現されているのが最大の見所である。
戦後の貧しい時代に栄養失調に苦しむ人々の姿を見た安藤百福氏は、庶民にも簡単に手に入る安価で栄養価の高い保存食として自宅の庭の小屋でチキンラーメンを開発、一貫して庶民の目線でサクセスストーリーを築き上げた日清食品は世界有数の即席麺メーカーに成長し、今も貧乏人の胃袋を満たし続けている。ちなみにこの記念館の真向かいには安藤百福氏(故人)の自宅もある。それも華美な豪邸でもない、落ち着いた佇まいの邸宅である。