四つ木の街には人々に忘れ去られた商店街がある。四ツ木駅からかなり南側に離れた、東四つ木一丁目の荒川沿いの住宅地に「木根川商店街」という名前の看板が残る古いバラック建ての市場の遺構が残っているが、どうやらそれの事だ。看板はよく見ると下に「宝商店街」と書かれている跡がくっきり見えている。名称が途中で変わったのだろうか。
道路側には未だ現役の散髪屋も残ってはいるのだが、建物中央の入口から商店街の中に入ると両側にバラック建ての店舗が並び中央にはテント屋根の残骸と思しき骨組みだけが錆びついたまま残されていた。潰れた店の看板も昭和30年代テイスト。奥の中華料理屋「宮城」は現役で、店の前には何故か紐で繋がれた飼い猫が日向ぼっこしている。
