東京23区中ぶっちぎりで最底辺層が住まう足立区の外れの街「竹ノ塚」。そのまた外れの西保木間四丁目に古びた都営住宅が密集する一画がある。「都営西保木間四丁目アパート」といい、高度経済成長期ど真ん中の昭和42(1967)年に建設された団地である。高層の16号棟を除いて中層棟ばかりが十数棟立ち並ぶその奥に巨大な「足立清掃工場」がそびえていて、まさにゴミ処理場のすぐ隣に団地があるというNIMBY極まりない環境。すぐ北側には埼玉県との境を流れる毛長川もあり、まさに東京の最果てと形容すべき光景。例に漏れず高齢化著しい一方で団地のベランダに巨大パラボラアンテナが並んでいて、中国人世帯の居住も目立っている。
その14号棟の一階はまた古びた佇まいの小さな商店街となっており、「足立西保木間郵便局」やくたびれた食料品店、懐かしのコインゲームを並べた駄菓子屋などが並び地元の子供で賑わっている。東武伊勢崎線竹ノ塚駅からは徒歩10分強と遠く、駅から団地までの道は自転車に乗った地元民が行き交うが、明らかに不良少年グループと思しきチャリンコ集団を見かけた時はさすが足立クオリティだと感心させられた。