東京都心からも遠く離れた千葉県佐倉市に「ユーカリが丘」という珍妙なネーミングのニュータウンがある。京成本線で上野や日暮里から1時間近くも掛かる、お世辞にも通勤便利とは言えない距離にもありながら、1970年代に街開きして以降、当初のデベロッパーである株式会社山万がニュータウン全体の管理はおろか新交通システムの運営も行い、現在も廃れる事もなく街づくりが進んでいる、全国的に見ても珍しいニュータウンとなっている。
ユーカリが丘駅前から発着している新交通システム「山万ユーカリが丘線」(全線大人200円均一)に乗ると全長約4キロ6駅の区間を往復(途中の公園駅から三駅は反時計回りの環状運転)、通勤時間帯は1時間7本の運行体制でニュータウン住民の足として活躍している。
一般的なニュータウンと違うのは、分譲件数の調整を行い定期的に若い世代を流入する形を取っているので少子高齢化のご時世にも関わらず、そうした諸問題とは然程無縁でニュータウン内には子育て世代も多く住んでいる。その事から「奇跡のニュータウン」などと呼ばれテレビ取材の対象となる事も多い。ニュータウンの人口は約1万8千人。現在も人口は僅かながら増加傾向にある。