谷中・みかどパン店

台東区

谷中の寺町を散策していると正面にふと現れたのが一本の巨大なヒマラヤ杉の両側に伸びるY字路だった。その木の根元にはこれまたレトロな個人商店が一軒。伊藤パンの古い看板が掲げられている「みかどパン店」だ。Y字路、つまり三叉路にあるパン屋だから「みかど」。古びたパン屋の生涯は常にヒマラヤ杉とともに在った。戦前の頃、現在の店主の祖父が鉢植えの状態から育て始めた木が成長してこんな状態になったとか。樹齢も80年から90年あり、樹高は約15メートルで、店の屋根の高さを軽く超えてしまっている。

店の名前通りにパンは販売されておらず、現在も駄菓子屋として地味に営業中なのだが、2012年3月にこの一帯の土地がデベロッパーに買い上げられてしまい、ヒマラヤ杉もろとも解体される危機となった。地元の保護活動の結果、ヒマラヤ杉の伐採は無くなったとの事だが、レトロなパン屋の建物は解体が決まっていて、また一つ東京の貴重な都市風景が失われる運命に。

台東区 谷中

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