昭和の高度経済成長期には新婚旅行のメッカだったという和歌山の景勝地・和歌浦。そのうち奥和歌浦と呼ばれる雑賀崎や田野浦地区の高台には時代に取り残され荒れるに任せた状態の大型旅館が数多く建ち並んでいる。
特に目立つ存在なのが田野浦集落の上にそびえる「魚又楼」。10年くらい前(06~07年頃?)に廃業したようで、5階建ての立派なコンクリート建ての本館も放置プレイのままである。さらに道路の向かいの崖下に広がる瓦屋根の別館も鬱蒼とした木々に阻まれその建物の全貌を見る事も難しい。かつては魚又楼の隣に「宇宙回転温泉」の名で知られた北村荘グランドホテルの廃墟が建っていたが、2005年頃に解体され跡形もない。関西圏の廃墟マニアには有名物件でもあった。