白石遊郭

札幌市

明治初期に北海道開拓使によって開かれた薄野遊郭が開道50周年記念に開催された北海道博覧会を契機に中心地にあった遊郭を風紀上の理由で移転させる計画が持ち上がり、代替地探しをする中で様々な村が名乗りを上げたが、豊平川向かいの白石村の果樹園主達がリンゴの病害虫で悩んでいた最中、用地を寄付する事で遊郭移転に成功、大正9(1920)年までに薄野遊郭の移転が終わり、当地は札幌遊郭、通称「白石遊郭」と呼ばれ戦後の昭和33(1958)年、売防法完全施行の日まで色街としての歴史を連ねた。

リンゴ果樹園だった遊郭跡は、現在も札幌市営地下鉄東西線菊水駅近くに吉原遊郭を思わせるはっきりとした廓状の街路を残しているが、30軒程あったとされる妓楼は全く残っておらず、色街の趣きも全くないただの住宅地と化している。その代わり、旧遊郭地の北東隅にある菊水公園の一角に遊郭時代から残る菊水稲荷神社が鎮座しており、辛うじて往時の面影が見られる。

札幌市 菊水

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