東武伊勢崎線鐘ヶ淵駅近く、白鬚橋から北側の隅田川沿いにまるで万里の長城の如く連なる高層団地群「白鬚東アパート」、通称「白鬚防災団地」。南北1．2キロもの間に13階建ての都営住宅がびっしり並んでおり、それぞれの建物の間は開閉可能な巨大な防火壁で連結されている。それぞれの住居ベランダ部分にも防火シャッターがあり、大規模な火災の発生時にはこれを閉じる事も出来るらしい。何故ここまで一見過剰なまでに防災対策を施した団地が生まれたのか、それは関東大震災や東京大空襲で度重なる被害に遭った墨田区ならではのこだわりなのか…最も、昭和57（1982）年の完成以来、この団地の防火壁が「実戦」で使われたケースは一度もないという。
