常々「九州最弱県」の有り難くない称号を欲しいままにしている佐賀県の県庁所在地・佐賀市の玄関口となるJR佐賀駅。九州の他県の県庁所在地駅前と比べても、やはり駅前は閑散としていて、一世代前の古めかしい駅前広場があり、観光客の姿は無く、代わりに客待ちのタクシーとその運転手ばかりが居る。
所詮は長崎への通り道でしかないのか、佐賀の苦しい立場はよそ者の当方にも察しがつくが、そんな佐賀県がにわかに盛り上がったのが、佐賀をはじめ九州各地でロケを行った映画「悪人」のロケ地巡り。妻夫木聡と深津絵里の共演が印象的な映画だったが、深津絵里が演じる佐賀暮らしのしがない紳士服店員の女性「光代」が最初に主人公の「祐一」と待ち合わせをするシーンに佐賀駅前のこの場所が登場する。
それをわざわざ立派に看板を立てて、妻夫木聡と深津絵里がいた場所に赤い目印まで立てているご丁寧ぶり。佐賀市民的には、はなわの唄う「佐賀県」以来の注目を浴びる結果となり、さぞかし大盛り上がりだったのだろう。
ちなみに佐賀駅前にある佐賀観光協会のレンタサイクルには「けったくりで佐賀」と書かれた看板があり、この地方では自転車の事を「けったくり」と呼ぶという、またどうでもいいローカル豆知識を覚えてしまった。名古屋だけじゃなかったんすね、この呼び方…