大曽根・城東園

名古屋市

名古屋には中村遊郭や尾頭橋の八幡園、港区の港陽園といった遊郭赤線跡が沢山あってそれぞれ郷土史にも残されている場所だが、その中でも歴史も不明瞭で存在が謎とされているのが大曽根にある「城東園」という赤線跡だ。正確には大曽根駅よりもずっと西側の北区杉栄町三丁目から五丁目付近に存在していたもので、それも戦後の中村遊郭にあった「名楽園」に次ぐ規模の特殊飲食店街が形成されていた。

昭和40年代くらいまではそれこそ街娼がうろつくような魔窟だったとか何とか言われていた場所だが現在せいぜい名残りらしきものは何軒か残るそれっぽさを漂わせた建物か、特殊なお風呂屋さんが唐突に住宅街となった当地に一軒だけぽつんと開いている事くらいか。

近くには江戸時代からの歴史があったという老舗料理旅館「十州楼」(閉店)の建物もあり、昭和11(1936)年に建設された豪華な数寄屋風建築が戦災の被害もなく残されていた。大昔はここが濃尾平野の向こうの山々を見渡せる風光明媚の地であったというのだから今からでは考えられない。十州楼は2013年に解体されてしまったようである。

名古屋市 大曽根

名古屋市 大曽根

名古屋市 大曽根

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