王子駅北西の高台にある王子神社は王子の地名の由来ともなった由緒ある神社だが、その神社境内には髪の祖神と言われる蝉丸公を祀る「關神社」が置かれている。戦時中に社殿が焼失した後、昭和36（1961）年に再建されたものだが、傍らに毛塚が置かれていたり、よく見ると玉垣に連なる名前も理容美容関係の業者か「カツラ」とか「人毛商」といった文言が並び、特に大阪や愛知や広島など他地方の地名が多い。ここは髪の毛の神様として全国的に信仰されていた場所だったという事を思い知る。今もなおハゲ頭に悩む男性からの崇敬を密かに集めているようだ。
