ある世代以上の関西人にとって「京都大原三千院」の歌詞が勝手に脳内リピートされる事で有名な(デューク・エイセスの「女ひとり」の歌詞です)京都市の奥座敷、左京区大原の中でもとりわけ「酷道」として知られる国道477号を延々を登った先にある「大原百井町」は標高640メートルの山中にぽつんと残る京都市北部の秘境集落の一つである。あまりに山深い土地に猫の額ほどの平地があるだけの場所で、人口は僅か40人、もしくは30人台とも言われている。
この大原百井町の集落には実質廃校状態になった「京都市立大原小学校百井分校」の建物が現存している。児童数減少を理由に1991年に休校して以来25年になるが、未だに再開される見通しはない。建物は地元住民によってこまめに管理されていて、荒廃している様子はない。木造平屋建ての小さな校舎は、レトロという言葉を当てはめるのも軽々しい程に年季を刻んでいる。