地下鉄中央線九条駅前の中央大通りから南東側に伸びるアーケード街「ナインモール九条商店街」。古くは九条新道と呼ばれていた。戦前からの工業都市として発展してきた大阪市臨海部に属する当地において古くから中心的な商店街の一つでもあり、最盛期の昭和初期には「西の心斎橋筋」と呼ばれるまでの活況を呈していたというが、その繁栄の源となった要因に商店街のすぐ近くに「松島新地」（松島遊郭）という名所があった事は無関係ではないだろう。
近年は都市の発展からは取り残され、ややうらびれた雰囲気すらあるが、近所に大阪ドームがオープンした1997年、阪神なんば線九条駅が開業した2009年にはそれぞれ商店街を挙げて「大歓迎」をアピールしていたのだが、一方で地下鉄中央線九条駅の西側改札口は阪神なんば線開業まで長い間「開かずの改札口」と呼ばれ地下鉄開業直後から40年以上封鎖され使われていなかった。この理由は明らかではないが「人の流れを商店街に呼びたい」などとする九条界隈の商店主による猛反対があったからだという説もある。
商店街内にある仏壇屋「古谷安楽堂」はかつて食料品や日用雑貨、かばんなどを適当に売りまくっていた謎の迷店舗。今では廃業してシャッターが降ろされたままになっている。かつてテレビ番組（世界超偉人伝説・大阪ミステリーゾーン）で「30年間一個も売れへん仏壇屋」として紹介されている。
