横浜のドヤ街・寿町は労働者とホームレスと福祉の街であるというイメージが強すぎて、もう一つの側面が見逃されがちになっている。実はこの寿町、ドヤ街として戦後に成立して以降、在日韓国・朝鮮人が数多く流入してきたコリアタウンとしての姿も持つ。簡易宿泊所や商店の経営者が往々にして在日コリアンであるケースが多いのだ。
「寿町総合労働福祉会館」のすぐ西隣に粗末な二階建ての呑み屋ばかりが連なる怪しげな長屋が密集している一角がある。ここの路地に入り込むと、何やら胡散臭い佇まいの居酒屋やスナックがここぞとばかりに密集している傍ら、ハングルが書かれた韓国酒場や韓国料理屋が点在している。すっかり佇まいはドヤ街の中の呑み屋街といったところであるが、呑み屋街に混じって「ノミ屋」(非合法の馬券売場)があるというのが寿町クオリティ。ドヤ街寿町の中でも指折りの曰くありすぎなエリアではなかろうか。