フェスティバルゲート

大阪市浪速区

大阪・新世界と言えば今となっては有名観光地で、観光客が普通に街を歩いても平気な場所になったが、以前は釜ヶ崎の荒くれた労働者の遊興地で一般人は来る事すら避けていたような土地だった。そんな新世界の一角、大阪市交通局霞町車庫跡地の再開発計画としてスパワールドと同時期の1997年に開業した遊園地が「フェスティバルゲート」だった。海底に沈んだ古代都市をテーマにした奇抜かつ豪華な外観を持ち、建物の中にジェットコースターが走るという都市型遊園地が総工費約500億円にも及ぶ大阪市の土地信託事業として始められた。開業当初は好況だったが後のUSJ開業、それに第三セクターによる放漫運営でアトラクションの陳腐化を迎え徐々に客足が落ち、2004年2月に経営破綻。大阪市税によって200億円の損失補填も行われた。

破綻後はジェットコースターやメリーゴーランド以外のアトラクションは全て営業休止に追い込まれ、入居テナントも一部のみ営業していたが、ジェットコースターは2007年5月のエキスポランド事故を受けて休止、その後2007年7月31日をもって全面休業、2008年の時点で館内通路も閉鎖され、2011年からとうとう解体工事が始まり、現在は跡形も無くなっている。なお、フェスティバルゲートの跡地にはマルハンの韓流テーマパークが出来るそうで相変わらずお寒い限りの場所です。

2012年夏、フェスティバルゲート解体中の現場を見に行った時に目にしたのが、かつてアトラクション「テオスの塔」上部にあった翼を携えた女神像の残骸だった。地に落ちた堕天使のような哀れな最期がこの土地のもたらした不幸を象徴しているかのようで皮肉に思えた。

浪速区 新世界

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