会津の城下町である会津若松市の七日町の外れに「磐見町」と呼ばれる区画があり、そこにかつて江戸時代から歴史を連ねていた遊郭があったという事なのでその様子を見たさに雪深い厳冬期にわざわざ訪れた。既に現役時代の妓楼は数える程しか残っておらず、遊郭の名残りを留めるのは不自然に広い街路と、旧遊郭地の奥にある笠間稲荷神社、一軒だけ残る遊郭の大地主の所有物と言われる家屋くらいだった。この家屋は呉服屋として営業していたというが今は定住しておらず、玄関の周りは深い雪に阻まれていた。なお、戦後に赤線地帯として栄えたのは市役所に近い栄町付近である。